出産のはなし 〜順天堂医院での無痛分娩⑥〜いざ麻酔開始
陣痛が進むなか、子宮口6センチで麻酔の投与を開始することに。
(その前の段階から辛ければ麻酔を投与することは可能のようです)
颯爽と現れたのは、臨月の時に受診した周産期麻酔外来で説明を担当してくれた麻酔科医。
背中を丸め、消毒をしてから、局所麻酔の針をチクっと刺したのち、いざカテーテルを挿入。
最初は脊椎麻酔で、こちらは帝王切開などでも使われる麻酔薬です。
効きが良いけれど、だいたい一時間前後で効果が薄れて来るので、そのあとに硬膜外麻酔を徐々に入れて引き続き痛みを和らげるという手順になっていたと記憶しています。
針自体を入れたのは、一度だけでした。
局所麻酔や、カテーテルを入れる作業自体の痛みは何てことなし。採血される時の方が痛いくらい。
た・だ!
カテーテルをきちんと入れるために、背中を丸めたままの姿勢を保つのが、難しかったです。すでに2分くらいの陣痛間隔だったため、術中に陣痛の波が来ても、必死に動かないように、ウググググと背中を丸めて耐えるのが、しんどい!
ここが「しんどいハイライト」でした。
脊椎麻酔が効いてくる感覚はすぐにわかりました。下半身がポカポカ温かくなって来て、痛みが引いていくのです。
じきに、痛みは完全に消失しました。
麻酔科医はしばらく側にいて、痛みの有無や、足の知覚の変化などを、入念にチェックして、異変がないか注意深く経過を見てくれました。
この時点で、担当の助産師さん、麻酔科医、あと産科の先生が3人ほど、入れ替わり立ち代わり様子を見てくれていました。
この時感じたのは、どんな豪華な食事も産後のエステも素敵な個室もいらない、とにかく安全管理にきちんと力を入れてくれている、出産費用高かったけど(こういう時も現実的)ここにして良かったな、と思いました。
脊椎麻酔の効いている一時間は、赤ちゃんが降りていっている感覚(お腹がすごい張る)だけを感じました。不思議な感覚で、赤ちゃんがぐぐぐっと自分で下へ降りて来ている、体の内で、すごいエネルギーが動いている感じがよく分かる。
そのエネルギーに呼応するように、「降りてきなー降りてきなー」とイメトレして、自分の体に集中していました。
一時間ほど経つと、脊椎麻酔は切れ始め、軽い違和感を感じるようになって来ました。ここからは硬膜外麻酔の薬に頼っていきます。薬液の入ったポンプを、痛みが出始めたら自分で押して、痛みを調節していきます。
私はビビリなので、ちょっと張ってるかなー痛いかなーあたりで押してました。連打しても、一度にでる量はちゃんと調整されているので、薬が出すぎる心配はありません。
この段階で、徐々にいきみ感も強く感じるように。
「もう10センチ。全開。早いですねー」と言われてびっくり。
個人的には、「降りておいでー」のイメトレと、痛みから解放され、体に余計な力が入らずリラックスできたおかげでスムーズに進んだのではと勝手に思っています。
あと一時間ほどで、夫が母に長男をバトンタッチして病院に向かう予定であることを伝えると
「あ、もう間に合わないかもね」
いきみたいと思うものの、まだもうちょっとねー、と言われてるうちにどんどん痛みが強くなってきている気が。
いま思うと、それは痛みじゃなくて赤ちゃんが出て来る直前の圧迫感だった気がします。
圧迫感には、さすがに麻酔が効きません。
「無痛でも最後の最後は痛い」
という噂を聞いていたので、これか⁈と思いました。
大丈夫大丈夫、これは痛みじゃなくて圧迫感、と自分で自分を落ち着かせました。
そうこうしているうちに、どんどん強くなるいきみ感。
ちょっと辛くなって来ましたーと訴えると
助産師さん、医師たちが集結して来ました。
「そんなにいきみたいなら、とりあえずいきんでみましょうか」
と言われ、指示を受けながらいきみました。
お、お、と助産師さんや医師たち。
もう一回!
といきもうとしたところ、
「あ、もう産まれましたよー、もういきまないでくださーい」
と言われて、エッ?となりました。
産まれました。
病院到着から3時間。
二人目、やっぱり早かったです。
痛みがないお産は、体の疲れがなく、最後のいきみまで存分に体力を残すことができました。痛みがないの、本当にありがたいなあ。無事に産まれて、ありがたいなあ。
これが出産直後の感想です。
出産を振り返っての感想、費用や地味に辛かった産後の経過、今後は無痛にする?しない?などについては、この後もちょいちょい、地味にこっそりアップしていきたいと思います。
連日に渡り、出産の記事ばかり連投しました。
生々しい表現があったらすみませんでした。
明日からは、また日々のシンプルライフに無謀に挑む奮闘のブログをアップしていきたいと思います。また、よろしくお願いしますm(__)m